サンウルブズのNZ遠征は合格点

ついさっき、サンウルブズハリケーンズ戦が終わった。
藤島大村上晃一の解説だったが、のっけから二人ともがハリケーンズに勝つなんて毛頭思ってません的に話すので、あからさまな白々さがなくてよかった。
ゲーム内容も悪くはない。
相手がNZ勢でなければ、勝てたかもしれないとも思う。
ただ、弱者の兵法というのがなかったなぁ。
NZ勢に勝つには、地域なんて無視してとにかくボールを保持し続けることだ。
相手に攻める機会さえ与えなければ負けない。
なのに、中盤でキックを使いすぎた。
原因は、キープザボールを80分やり切る体力がないからだ。
ワールドカップで8強を目指すなら、そういう体力と知力をつけること。
あと、気になったのは、チームとしての一体感のなさ。
松島が抜けて、かなり一体感が出てはきた。
ただ、日本人の目から見て、まだチームがひとつになっていない。
サンウルブズと同じ多国籍軍に、リーグは違うが、RCトゥーロンという多国籍軍がある。
ただ、あちらは銀河系軍団といわれる豪華布陣。
でもあのチームもリーグが始まって10節ぐらいまではまったく一体感がない。
メンバーはころころ変わるし、ナショナルチームのキャプテン経験者が多くいるにもかかわらず、
一体感がない。
だからコロコロ負ける。
ただ、この数週間のRCトゥーロンのまとまりはすごい。
まとまったら、やっぱりとんでもなく強い。
スーパーラグビーでも優勝できるぐらいの強さだ。
そこでサンウルブズに話を戻すと、まだまだまとまりがない。
わたしはいま、この2年間の海外ラグビーをブルーレイに焼いてゲーム内容を3段階で評価しているが、
チームのまとまりというのは、よくわかる。
まとまりというよりも、チームの熱量といいかえたほうがいいかもしれない。
たとえば、昨年のザ・ラグビーチャンピオンシップ。
南アはNZとの初戦、0-57という歴史的大敗を喫し、クッツエー解任の遠因とも。
しかし第2戦、負けはしたが、点差はわずか1点差(ノーサイド3分前のわりとイージーなPGを外していなければ勝利もあった)。
南アのマルコム・マークスがNZ紙の評価で10点満点を取った(サッカーでの評価は有名で7点取れば大活躍といわれる評価法)ゲームだが、その南アの熱量は結果を知っていても画面から伝わってくる。
ことしの6国対抗でのスコットランドイングランドや、フランスの初戦のアイルランド戦もそう。
ああいうまとまりが見てみたい。
サンウルブズの1年目は負けても結構まとまりがあった。
だから1勝でも大満足だったのだ。

今年はまだ未勝利。
全敗でもいいから、1試合ぐらいは熱量のあるチームになってほしい。
勝てない理由はいろいろあるが、一番の理由は相手がそこそこ警戒していることだ。
同じ名前のチームでも、去年までは2本目でも勝てるやんと思われていたが、
今は1本半ではちょっとやばいでと思われていること。
要は相手のレベルと本気度があがったということ。
相手を本気にさせる時間帯を増やすことが来年のサンウルブズひいてはジャパンにつながる。
今年はGW明けの秩父宮でのREDS戦に勝てばそれでよし、まぁ仮に全敗でも
日本ラグビーのレベル低下とは思わないし、世界からもSRを舐めているとは言われないはずだ。

松島のあの発言がサンウルブズに良い効果をもたらしたのは間違いない。
そういう意味では松島は功労者だな。