河瀬を信じ切った向こうに見えた景色が日本一だった

湯浅監督があんなに男泣きをしたのは珍しい。

昨日の練習で生徒たちを信じて雷を落とし、

今日は今日でゴールを外しまくる河瀬を信じて

ゴールキックを蹴らせ続けた。

それがあの男泣きに泣けた理由だろう。

東海大仰星というチームは毎年花園出場を決めてからの伸びがすごい。

大阪予選で今年は大したことないなぁと思っても花園ではきっちり勝ち上がってくる。

精神論で語りたくはないが、

一昨年の優勝の時、グランドではまだ優勝のお祭り騒ぎだったにも関わらず、

早々とバックスタンドのゴミを拾っていた東海大仰星の中学生ラガーたち(今年のFBの谷口選手もその中にいたのだろう)、

谷町9丁目から大阪上本町への通路では、あえて人通りのないほうの通路の右端を一列で歩く姿、

東花園から花園ラグビー場へ向かうスクラムロードでは、タバコの吸い殻やゴミを拾いながら

花園へ向かう姿。

東海大仰星高校は私が高校生の頃には存在しなかった学校だ。

だから学校への思いいれはないが、こういう姿を見ていると応援せずにはいられない。

主将、コーチ、監督として花園を制した湯浅監督を「持っている」と語ることで片付けるのはたやすい。

ただ彼が地道に積み上げてきたものが今回の優勝を呼びこんだと思う。


毎年優勝まであと一歩という学校は、何が足らないのか、足元を見つめなおすべきではないか。


河瀬親子は二代続けての花園優勝だが、戦後初めてではないか(戦前は知らないが)。