塚原光男さんの講話

本日は職場研修の一環で、あべのハルカスにて、あの「月面宙返り」で有名な塚原光男さんの講話を拝聴しました。
また、モントリオールでお取りになった団体金メダルにも触れさせていただきました。
600グラムあり、ずっしりと重かったです(純金100%ではないそうです)。
モントリオール五輪といえば、私はまだ中学生で、男子体操の選手の名前に記憶はありますが、
その金メダルに秘められたドラマを覚えていませんでした。
下馬評は、団体の選手6人中世界チャンピオン経験者4人を有する日本が絶対金メダルというものだったそうです。
しかし、モントリオールに入ってから、当時の世界チャンピオンでエースだった笠松選手が、盲腸で出場できないアクシデント。これでオリンピック5連覇に暗雲が立ち込め、オリンピックの競技が始まってからは、規定を2位通過しかできず、逆転を狙った自由演技では
つり輪の着地で藤本選手がひざの半月板を損傷、なんとか立ったもののその次の跳馬で助走を終え、踏み切り板に乗った途端に衝撃で損傷していたヒザが完全に破壊され、その場でついにうずくまり、日本の体操団体オリンピック5連覇不可能かと思われた瞬間、観客席から大声で日本頑張れーという声援に選手全員が気づいて観客席を見上げると、なんとそこには病院を抜け出してきた笠松選手が。
当時は東西冷戦の真っ只中、ライバルであるソ連の演技に観客は冷たく、アクシデントが重なった日本には大声援で、その声援に後押しされ、選手らは落ち着きを取り戻したそうです。
ただ、団体は6人が演技し、上位5人の得点で順位が決まるため、失敗できないというプレッシャーはすごかったそうです。
塚原さんは、最後の演技である鉄棒の最後の選手であり、塚原さんの出来次第で金メダルが決まるというところで、イメージトレーニングとルーティーンを終え、さあ鉄棒に捕まろうとした瞬間、練習中に失敗して救急車で運ばれた時の救急車の音が頭の中に蘇り、それを自分の弱さだと認めた瞬間、救急車の音が消え、「ゾーン」に入り、気がつくと月面宙返りで着地する寸前だったそうです。
塚原さんは「ゾーン」という表現はされていませんでしたが、聴いてる方は「あー明らかにゾーンやなぁ」と思いました。
まぁ絶体絶命でも諦めてはいけませんということでしたので、その言葉をサンウルブズラグビー日本代表に送りたいと思います。