なす術がなかったフィジー戦

このゲーム、解説が大西将太郎
大西が言うとおり、ゲームの開始をフワーと入ってしまった。
それが全て。
先週、沢木が言ったように、セットプレーが多いゲームにしないと・・・というのが図らずも当たってしまったかたち。以前のフィジーはセットプレーが弱く、シンビンで数的優位を得たらセットプレーから得点して勝つと言うのが、定石であった。だから、いかにシンビンを獲得するか、いかに相手をイライラさせるかというのがキモであった。
しかし今のフィジーにはそれが通用しない。
ゲームの半分以上を一人多い数的優位で戦いながら、逆にトライを奪われる始末。
それは、グラウンドに立つ一人ひとりの選手が攻撃.守りをできるスペースの広さの違い。
フィジーに関していえば、今のグラウンドの規格では、13人が適正ではないかというぐらいであるから、ジャパンが一人数的優位を得たぐらいでは、なかなか厳しい。
ジャパンはフィジーのセットが想像以上に強かったし、フィジカルもかつてのサモアのような力強さだったというのが大きな読み違いだろう。
したがって、ほとんどなす術がなく、ジャパンは敗退した。
ただ評価できるのは、以前のジャパンであれば、取られていただろうフィジーのカウンタをよく止めて、
フィジーがバテるのを待てた点。
と、褒めているも、やらずもがなのトライが多く、それが勝てなかった原因。
しかし、この対戦は、勝てなかったことよりも、我慢に我慢を重ねて、あと10分の段階では、勝てるかもという夢をファンに見させた点を評価すべきだろう。
ゲームプランの誤りを正せば、なんとかなったのかなあというのが正直な感想。
フィジーのフィジカルの強さが想像以上であったように、フィジーのバテ方もまた想像以上だったことも忘れてはいけないだろう。
それに、ゲーム後フィジーのキャプテンが言っていたように、フィジーの選手をもっと所属チームがリリースしてくれれば、俺たちはもっと強いというのはまさしくそうだろう。
ジャパンに関していえば、結局評価対象となるゲームを全て落としたテストマッチシリーズだったという総括をしなければ、この先伸びは見込めない。
ウエールズをあわやというところまで追い込んだのは事実だが、「勝てなかったという事実」をベースにしないと間違った方向に行きかねない。
ウエールズ戦はなく、フィジーとアルゼンチンに負けたという事実をベースに総括すべきだろう。