フランスTOP14 トゥーロン対リヨン

スポーツにおけるベテランの価値がよくわかるゲーム。
共に3連敗で迎え、負けるとこのままズルズル行きかねない。
絶対落としたくない。
リヨンは、下位チームに連勝を重ね首位にもいたが、実力チームとの5連戦で3連敗中であり、本当の実力が試されるといったまさに正念場。
ミシャラクを先発で使い、ウイングにはアーミテージフランカーは25歳だがリヨン躍進の立役者リーアムギル。
対する銀河系軍団は、豊富なメンバーから、「いらんことしぃ」を除き、
落ち着いた布陣。
「いらんことしぃ」の筆頭はジョージアのゴルゴゼ。
チームの勝利とは違う次元で戦っている典型的な選手。
リザーブに回ったピーターセンもそう。
要は規律に問題がある選手たちをスターターから「排除」。
フランスの現キャプテンのギラドもそう。
ロベ、フェルミューレン、といったインターナショナルのキャプテン経験者を配置し、心境著しいバスタローとフェキトアをセンターに。
解説が神戸製鋼にいた平尾剛
この解説も聞き応えがあった。

ちなみに、フェキトアは我が家ではフェニキア人に引っ掛けて「フェキトア人」といっていた。
彼のいいところはミスしたと思ったら全力で取り返しに行くところ。
ほぼ100%の力で戦っているが、ミスした瞬間120%の力を出す。
その責任感の強さが大好きで、本当にリスペクトしているので「フェキトア人」という尊称でよんでいた。
その証拠に、うちのこどもは、フェキトアの影響を大きく受けている。
息子自慢になるが、ミスをしたと思ったらギアが一段上がる。
まぁ、うちの息子のギアは所詮チャリなみですが。

このゲーム、ジョージアがなぜジャパンより格下なのかもわかります。
チラチャバのプレーをみると、何が「いらんことしぃ」で、彼がいかにラグビー偏差値が低いかも明確になる。
ラグビー偏差値が低い一例として、このゲームでギラドが抜け出し、20Mぐらい突進した後のラックが挙げられる。
ゴールまではまだ20Mぐらいあるが、彼はピックアンドゴーを選んだ。
これがラグビーをわかっていない証拠。
以前、ラシンのキャプテンであるザルゼウスキーが目の前がゴールラインだがラックからすぐに展開してトライを引き出したプレーを見た。
彼はフッカーで目の前がゴールラインであるので、自分で行きたくなるところだが、
球出しのタイミング、パスの技術とも最高でさすがはフランス代表だったことをうかがわせた。
2011年のワールドカップ決勝では、最後のオールブラックスの保守的攻撃に我慢できずにオフサイドを犯し、ゲームを終わらせてしまったけれど。

またトゥーロンは前半ツイソバをほとんど使わなかった。
これまた落ち着いたセンター陣の判断の見事さ。
ツイソバもイケイケで規律に難あり。
セーフティーリードを取るまで、ツイソバをほとんど使っていない。
まぁ、トゥーロンが勝つべくして勝ったのだが、
ゴルゴゼとノヌーを使ってたらひょっとすると負けたかもしれない。

ラグビーの深さがよくわかるゲーム。
WOWOWに入っていて良かったと思えるゲーム。